共役リノール酸（CLA）とリノール酸
共役リノール酸（CLA）とリノール酸の違い
共役リノール酸（CLA）と似た名前の成分で、リノール酸という成分があります。
名前が似ているので、よく混同されがちですが、
共役リノール酸（CLA）とリノール酸は、似ているようでまったく異なる働きをします。
もともと共役リノール酸（CLA）は、リノール酸から派生した物質ですが、
リノール酸とは構造的にも、効果的にも異なっていています。
脂肪酸は、人間の体内でつくることができる一価不飽和脂肪酸と、
つくることのできない多価不飽和脂肪酸に分類されます。
一価不飽和脂肪酸の代表はオリーブオイルに多いオレイン酸です。
多価不飽和脂肪酸にはオメガ6系とオメガ3系があり、
オメガ6系の方に、リノール酸が分類されます。
リノール酸という脂肪酸は、主に紅花やヒマワリ、
月見草などの種子に多く含まれ、植物油として利用されています。
リノール酸は多価不飽和脂肪酸の一つであるオメガ6系脂肪酸で、
人間の体内では通常生成できない必須脂肪酸です。
そのため、リノール酸は、食事で摂取していく必要があります。
しかし、リノール酸は取りすぎると、免疫細胞の働きが低下し、
アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー性炎症疾患を引き起こす可能性があります。
また、動脈硬化や心臓の病気などを発症するおそれがあるので、
リノール酸の摂取量には気を付ける必要があります。
一方、共役リノール酸（CLA）は、牛肉、乳製品などに比較的多く含まれている脂肪酸です。
共役リノール酸は、細胞の働きを助ける部分についてはリノール酸と同じですが、
それ以外は、リノール酸とはまったく異なる働きがあり、
体脂肪の減少作用、抗がん作用、抗酸化作用などがあります。
ただし、共役リノール酸（CLA）は、一定量以上の摂取が必要です。
つまり、リノール酸の摂取は控えめにして、共役リノール酸（CLA）を
積極的に補給するというのが、肥満や成人病を防ぐポイントになるとされています。
リノール酸の効果・効能
・エネルギー源
・細胞組織や生理活性物質の材料
・一時的に悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす
・リノール酸の一部はアラキドン酸に変換され、
生理活性作用として免疫力や記憶力、認知力、
血液凝固作用や炎症作用、などに関与する。
リノール酸が不足すると、代謝組織に影響がでるため、
抜け毛や傷の回復力の低下、成長の遅れや皮膚の病気などの原因となります。
しかし、リノール酸の必要量はごく少量で良く、
摂り過ぎると体に悪い影響がでる可能性があります。
リノール酸の過剰摂取の影響
過剰摂取すると、以下のような影響が出るため、
リノール酸の摂取量を減らし、オメガ3系脂肪酸を多く摂ることが推奨されています。
・善玉コレステロールの減少
・悪玉コレステロール、中性脂肪の増加
・血栓ができやくなる
・血液がドロドロ
・動脈硬化
・心筋梗塞、脳梗塞
・免疫作用の異常
・アレルギー
・細胞組織の炎症
・皮膚炎
・癌（がん）
・成人病
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